MCPで社内システムをAIにつなぐ|つながるもの、つながらないもの
MCPは、AIエージェントが外部のシステムを呼び出すための共通の口です。これがあると接続ごとの作り込みは減りますが、「相手側に口が用意されているか」という前提は変わりません。APIがないシステムは、MCPがあってもそのままでは繋がりません。
結論から
- 相手にAPIがあれば繋ぎやすくなる。ない場合の事情は従来の連携開発と同じ
- 難所は接続そのものではなく、誰の権限で実行するかと、記録の残し方
- 読み取りだけと、書き込みまでは、設計も承認の重さも別物として扱う
繋ぎやすさの目安
| 相手 | 繋ぎやすさ | 備考 |
|---|---|---|
| 主要SaaS(グループウェア、CRM、チャット) | 繋ぎやすい | 既存の接続部品を使えることが多い |
| APIのある自社システム | 繋ぎやすい | 呼び出し口を用意すれば済む |
| APIのない自社システム・基幹系 | 要検討 | 参照用のビューやCSV連携を挟む |
| ベンダー保守の閉じたパッケージ | 難しい | ベンダーへの確認が先。契約上の制約もある |
| 紙・個人のExcel | 繋がらない | 置き場所を移すところから |
接続より先に決めること
- 誰の権限で実行するか(利用者本人か、共通のアカウントか)
- 読み取りだけを許すか、書き込みまで許すか
- 実行の記録をどこに、どれだけの期間残すか
- 退職・異動のときに何を止めれば権限が切れるか
- 想定外の動きをしたときに、誰がどう止めるか
読み取りと書き込みを分ける
読み取りだけなら、事故が起きても情報の見えすぎで済みます。書き込みまで許すと、誤った登録・送信・削除がそのまま実害になります。この2つを同じ設計で通そうとすると、慎重にしすぎて何も進まないか、緩すぎて事故が起きるかのどちらかになります。
実務では、読み取りは広めに許し、書き込みは業務を絞って人の承認を挟む形から始めるのが扱いやすい構成です。運用しながら、承認なしで任せられる範囲を広げていきます。
よくあるご質問
- 古い基幹システムでも繋げますか
- 参照だけなら、読み取り専用の口やCSVの受け渡しを挟んで対応できることが多いです。書き込みは、ベンダー保守の契約条件を先に確認します。
- セキュリティ部門の承認が下りるか不安です
- 読み取り専用・対象データの範囲を限定・全実行の記録あり、という条件から始めると通りやすくなります。設計の説明資料の作成もお手伝いできます。