属人化をAIで解消する|ベテランの判断基準を引き出して残す手順
「マニュアルを書いてください」と頼んでも、ベテランほど書けません。本人にとって当たり前になっている判断は、意識に上がらないからです。引き出すには、書かせるのではなく、実際の判断を横から記録するやり方が要ります。
結論から
- 白紙から書かせない。実際の案件について「なぜそう決めたか」を聞き取る
- 例外と失敗例のほうが価値が高い。原則はすでに書かれていることが多い
- 引き出した内容はAIに答えさせて、本人に間違いを指摘してもらうところまでを工程に入れる
引き出し方の選び方
4番目が最も費用対効果が高くなりやすい方法です。実際に必要とされている知識だけが集まるため、書いたものが無駄になりません。
| やり方 | 内容 | 向く相手 |
|---|---|---|
| 判断の同席 | 実際の判断の場に同席し、決めた直後に理由を聞く | 忙しくて書く時間がない人 |
| 過去案件の振り返り | 終わった案件を3件選び、分岐点だけを聞く | 経験が長い人 |
| AIの下書きへの指摘 | AIに書かせた手順書を見せ、違う点を指摘してもらう | 書くのが苦手な人 |
| 質問ログからの逆算 | その人に集まっている質問を集め、回答を書き起こす | 質問が集中している人 |
残す内容の優先順位
- 例外の扱い(原則から外すのはどういう場合か)
- 過去に失敗した判断と、その原因
- 数字の基準(いくらまでなら、何日以内なら、という線引き)
- 誰に確認すべきかの判断(社内外の窓口)
- 原則の手順(すでに文書がある場合は後回しでよい)
進めるときの注意
「AIに置き換えるための取材」と受け取られると協力は得られません。実際の目的は、同じ質問に何度も答える時間をなくすことと、その人が休んでも業務が止まらない状態を作ることです。そこを最初に共有してください。
引き出した内容が正しいかどうかは、書いた時点では分かりません。実際の質問に答えさせてみて、本人に間違いを指摘してもらう工程まで含めて計画します。ここを省くと、間違った基準が正として残ります。
よくあるご質問
- 本人が協力してくれない場合は
- その人に集まっている質問の件数を数えるところから始めます。手放したい作業が可視化されると、協力が得られやすくなります。
- 退職までの期間が短いのですが間に合いますか
- 全部は残せません。頻度の高い判断と、失敗すると影響が大きい判断に絞ります。優先順位の付け方からご相談ください。