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Power Queryと生成AIはどっちを使う?向き不向きと組み合わせ方

Excelのデータ取込・整形を自動化したいとき、標準機能のPower Queryと生成AIのどちらを使うべきか迷う場面が増えています。毎回同じ手順の定型作業と、判断の混ざる非定型作業とでは、向いている道具が異なります。両者の住み分けと、実務で効く組み合わせ方を整理します。

結論から

  • 「毎月同じ形のデータを、同じ手順で取り込んで整形する」作業はPower Queryが向いています。一度設定すれば、以後は更新ボタンだけで同じ処理が再現されます
  • 「形がバラバラ」「表記ゆれの判断が要る」「今回限り」の作業は生成AIが向いています。ルール化しにくい判断を任せられるのが強みです
  • 対立するものではなく、「AIに手順を設計させてPower Queryで毎月回す」など、組み合わせて使うのが実務では有効です

Power Queryとは何か

Power Queryは、Excelに標準で搭載されているデータの取込・整形機能です(追加費用は不要です)。CSVや他のExcelファイル、フォルダ内の複数ファイルなどを読み込み、「不要な行を削除」「列を分割」「表を縦につなげる」といった整形手順を記録しておけます。

最大の特徴は、手順が保存され、何度でも同じ処理を再現できることです。翌月に新しいデータが来ても、更新操作をするだけで同じ整形が実行されます。マクロ(VBA)と違ってプログラミングは不要で、画面操作の積み重ねで処理を組み立てられます。

一方で、Power Queryは「決められた手順を忠実に繰り返す」仕組みなので、元データの形が変わると途端に動かなくなります。列名が変わった、シート名が変わった、といった変化に自動では対応できません。

生成AIが得意なのは「判断が混ざる作業」

ChatGPTやClaudeなどの生成AIは、Power Queryとは逆の性質を持ちます。決まった手順の反復は不得意(毎回結果が揺れる可能性がある)ですが、ルールとして書き切れない判断を含む作業に強みがあります。

こうした作業は、人間なら見ればわかるのにルール化しようとすると例外だらけになる領域です。ここが生成AIの出番です。

  • 「㈱ウェステリア」「ウェステリア(株)」「(株)ウエステリア」を同じ会社として扱う
  • フォーマットの違う支店別ファイルの列を「これは同じ意味の列」と対応付ける
  • 自由記述のメモ欄から「金額」「日付」らしき情報を抜き出す

向き不向きの比較

判断の目安はシンプルです。「毎回同じ」ならPower Query、「毎回違う・判断が要る」なら生成AI。そして毎月続く業務であれば、最終的にPower Queryなどの「再現性のある仕組み」に寄せていくのが安定します。

観点Power Query生成AI
得意な作業 定型の取込・整形の反復 非定型・判断込みの整形
再現性 同じ手順が毎回正確に再現される 実行のたびに結果が揺れることがある
データ形式の変化 形が変わると止まりやすい 多少の変化には柔軟に対応できる
データ量 数十万行規模でも実用的 一度に渡せる量に制限がある
費用 Excelに標準搭載で追加費用なし 無料枠あり。業務利用は有料プランが現実的
機密データの扱い 社内(自分のPC)で完結 社外サービスに渡す場合は要確認
習得 画面操作で学べるが独特の考え方に慣れが必要 日本語で頼めるので入口は易しい

実務で効く組み合わせ方

どちらか一方を選ぶ必要はありません。よく使われる組み合わせを3つ紹介します。

避けたいのは、毎月の定型作業を毎回AIに丸投げすることです。実行のたびに結果が揺れる可能性があり、検算の手間が毎回発生します。定型化できた作業は再現性のある仕組みに移す、が原則です。

  • AIに設計させて、Power Queryで回す。「こういうデータをこう整形したい」と生成AIに相談し、Power Queryでの手順(どの機能をどの順で使うか)を提案させます。Power Queryには「M言語」という内部の記述言語があり、AIにこのコードを書かせて貼り付ける、という使い方もできます。設計はAI、毎月の実行はPower Query、という分担です
  • 前処理だけAIに任せる。支店ごとにフォーマットが違うファイルが集まる場合、まずAIに列の対応付けや表記ゆれの統一をさせて形を揃え、揃った後の集計はPower Queryやピボットテーブルで行います。「ぐちゃぐちゃを揃えるのはAI、揃った後は既存機能」という分担です
  • エラー時の相談相手にする。Power Queryが翌月突然動かなくなったとき、エラー内容をAIに貼り付けて原因を聞く使い方です。「元データの列名が変わった」といった原因の見当が付きやすくなり、詳しい人が社内にいなくても復旧しやすくなります

よくあるご質問

Power Queryは無料で使えますか?
ExcelにはPower Queryが標準搭載されており、追加費用なしで使えます(お使いのバージョンでの利用可否は公式情報をご確認ください)。「データ」タブの「データの取得」から利用できます。
Power Queryとマクロ(VBA)はどう違いますか?
Power Queryは「データの取込・整形」に特化した機能で、プログラミングなしで手順を記録できます。VBAはExcel全般の操作を自動化できる分、コードを書く必要があります。データを取り込んで表の形を整えるだけなら、まずPower Queryを検討するほうが習得も保守も軽く済むことが多いです。
会社のデータを生成AIに渡しても大丈夫でしょうか?
サービスや契約プランによって、入力データの扱い(学習への利用有無など)が異なります。顧客名や個人情報を含むデータは、学習に使われない設定・プランを確認してから使うのが基本です。なお「手順の設計だけAIに相談する」使い方なら、実データを渡さずに済みます。詳しくは機密情報の扱いに関する記事もご覧ください。

判断に迷ったら、まず話してみませんか。

初回は1時間、無料でヒアリングします。 決まっていない段階でかまいません。今の状況を伺って、何から手をつけるべきかを一緒に整理します。

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